慢性腎臓病(CKD)を改善させる習慣 4選【腎臓内科医が薦める!】

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 みなさんは、慢性腎臓病(CKD)という言葉を知っていますか?

おちば先生
おちば先生

CKDは、日本の成人の8人に1人がかかっているとされ、新たな国民病と言われています。

CKDを放っておくと…

  • 透析になる
  • 脳梗塞、心不全などの命に関わる病気が起きやすくなる

と言われています。

しかし、CKDは不治の病と言われており、一旦悪くなった腎臓は回復しないと言われています。

CKDと診断された人は、具体的に何に気をつければよいのでしょうか?

今回は、実際に腎臓内科で外来をおこなっている腎臓専門医のおちばが  CKDのを改善させる習慣 4選についてまるっと解説していきます!

おちば先生
おちば先生
この記事でわかること!
  • 慢性腎臓病(CKD)を改善させる習慣 4つを大まかに理解できる!

慢性腎臓病(CKD)とは?

慢性腎臓病(CKD)とは 、そもそもどう診断するのでしょうか?

おちば先生
おちば先生

それはザックリいうと、

〈 CKDの診断基準 〉

eGFR<60あるいは、尿タンパクが1+以上が3ヶ月以上続く状態

を指しています。

eGFRとは?

eGFRとは、腎臓の機能を数値化したものです。

「クレアチニン」という筋肉から出てくるゴミのような成分から、性別や体格などを加味した計算式に入れたら出てくる数字で、若い健康な腎臓を100点満点とした時に何点くらい働いているか?

を表しています。

60点を切ったら腎臓が悪いというのは、学校の試験をイメージすると分かりやすいかもしれませんね。

さて、尿タンパクというのは、文字通り尿に入っているタンパクを指します。

尿は、腎臓にある「糸球体」という場所でつくられます。

この糸球体では、 編み目のような構造(足細胞)が、血液を濾過して尿を作ってくれています。

通常は、糸球体で蛋白はろ過されないですし、少し尿にたんぱくが出てきたとしても  尿の通り道である「尿細管」で吸収されます。

しかし、

糸球体に異常があるとタンパクが尿の中にたくさんもれ出てきてしまいます。

ただ、タンパクって食事にも含まれてますし、尿にまじっていて何が悪いの?と思う方は多いかもしれません。

おちば先生
おちば先生

実は、この「尿タンパク」こそが腎臓を傷めてしまう原因として重要なんです!!




CKD(慢性腎臓病)の進行が速い患者さんの特徴は?

ここまで、CKD(慢性腎臓病)とは血液検査で「eGFR」が低下したり、尿検査で「タンパク尿」が出ている状態を指すとご説明しました。

それでは、CKDが進行しにくくするにはいったいどうすればよいのでしょうか?

おちば先生
おちば先生

そこで重要になるのが「タンパク尿を減らす」ことです!

こちらをご覧ください!

出典元:CKD診療ガイド2024 日本腎臓学会編

これは  沖縄県で20歳から98歳までの約10万人を対象とした研究1) で、健診での尿蛋白がどのくらい出ているかで、その後の末期腎不全、つまり透析しないといけないくらい腎臓が悪くなってしまう人の発症率をみたグラフです。

タンパク尿の出ていない薄い青色の患者さんは、17年たっても末期腎不全の患者さんがほぼゼロであるのに対し、タンパク尿3+の人は15%近くが末期腎不全になっています。

このように、タンパク尿が出ている患者さんは、腎機能の悪化の進行が早いことがわかります。

さらに  タンパク尿が多い患者さんは、腎臓だけでなく、脳梗塞、心筋梗塞、心不全などおそろしい病気になりやすくなるということが数多くの研究でわかってきています。

タンパク尿がなぜ腎臓を悪くするか

では、なぜタンパク尿は、腎臓を悪くするのでしょうか?

おちば先生
おちば先生

いろいろな説がありますが、そのひとつとして「protein traffic」つまりタンパク尿の通過が腎臓にわるいという説があります2)

どういうことかというと、本来は尿の中にないタンパクという物質が、糸球体の異常でたくさん漏れ出てしまうことで、尿の通り道(尿細管)に炎症を起こし、ダメージを与えていってしまうといわれているんです。

このダメージが蓄積することで、腎不全になるスピードを早くしてしまいます。

さらに腎不全がすすむと、糸球体がぼろぼろになってしまい、さらにタンパク尿が増えてしまうという悪循環になってしまいます。

ちなみに、このタンパク尿は、腎臓の病気の中でも、糸球体の異常を起こしやすい糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎の方に多いことが知られているので、これらの患者さんは注意が必要ですね。

「腎臓病になるとタンパク尿が出ることがあるし  タンパク尿が出れば腎臓が悪くなる」ということを知っておいてください!

おちば先生
おちば先生

どうやってタンパク尿を減らすか!?

さて、ここまでタンパク尿が、CKD(慢性腎臓病)の進行に関わっていることをお伝えしてきました。

では、この腎臓を悪くする諸悪の根源といえるタンパク尿、 一体どうやって減らすことができるのでしょうか?

おちば先生
おちば先生

特効薬が・・・という話をしたいところですが、まず大事になってくるのは『 生活習慣 』です!

腎臓を守るための4つの生活習慣

腎臓を守るための生活習慣:① 禁煙

まずはタバコです!

禁煙は、 蛋白尿のリスクを減らすとされています3)

タバコは腎臓だけでなく全身の血管に動脈硬化を起こしてしまうので、腎臓だけでなく肺、心臓、脳など様々な臓器障害を起こします。

もしも、腎臓が悪いと言われているのに、ご自身がタバコを吸っている・・・あるいは家族さんがタバコを吸っている・・・といった場合は、ぜひこれを機に禁煙をおすすめください。

本数を減らすのではダメ?と聞かれることがありますが、結論からいうとおすすめはしません。

たとえ数本でも、喫煙によってニコチンの血中濃度の上がり下がりがあり、吸いたくなってしまうようです。

そのため、中途半端に本数を減らすよりも禁煙してしまうほうが楽なようです。

具体的には、3ヶ月くらい我慢したら、吸いたいという気持ちがなくなって楽になったという患者さんの話を聞いたことがありますよ!

おちば先生
おちば先生

腎臓を守るための生活習慣:② 減塩

2つめは  食事についてです!

腎臓を守るための生活習慣 ②

食生活でいちばん大事になってくるのは「減塩」です!

塩分摂取を減らすと、 タンパク尿が減ると報告されています。

高血圧の患者さんは、減塩をすると血圧が下がることが多く、血圧を下げる薬を減らすことができることもあり、お財布にも優しいです!

おちば先生
おちば先生

どんなふうに減塩すればいいんだろう・・・と悩むかたも多いと思います。

まずは、

  • 減塩しょうゆや減塩味噌をつかう
  • お弁当についているタレ、ドレッシングは半量くらいにする
  • 味が物足りないときは  塩みを足すのではなく香辛料をすこし追加してみる

などから始めてみてはいかがでしょうか?

また、最近ではコーヒーの摂取は、蛋白尿のリスクを減らすという報告もされています。

飲めば飲むほどよいというわけではありませんが  好きなかたは取り入れてみてもよいかもですね。

ただし、砂糖はあまり入れないようにしましょうね。

おちば先生
おちば先生

※ちなみに、砂糖といえば、糖尿病がある方の場合は、間食を控えること、甘いもののとりすぎに注意することで、血糖値の過度な上昇を防ぐようにしましょう。

糖尿病の血糖コントロールがよくなると、蛋白尿が減ると言われています。

さてここで、食事に関してよくある質問ですが「タンパク制限が腎臓を守ると聴いたけどほんと?」と気になっている方はいるかもしれません。

これについては、「絶対制限をしないといけないとは限らない」と言われており 、最近賛否両論があります

年齢や体格によって変わるので、主治医の先生に確認してみてくださいね。

また、さきほど、減塩醤油の話をしましたが、高カリウム血症と言われてカリウム控えめを指摘されている人は、減塩しょうゆなどのとりすぎでかえってカリウムが上がることがあるので、この場合も主治医の先生や栄養士さんへ相談してみてください。

腎臓を守るための生活習慣:③ 運動習慣をつける

3つめは、運動習慣をつけるです!

肥満は、蛋白尿を増やすとされています。

腎臓で尿を作る「糸球体」のひとつひとつが頑張ってはたらきすぎて膨らんでしまい  タンパクが漏れ出てしまうようになるんです。

また、痩せすぎて筋肉がなくなる状態も、腎臓に良くないとされています。

一昔前までは、腎臓病がある人に運動をすると、蛋白尿が増えてしまうのでよくないと言われていました。

しかし、最近はその説が否定されており、むしろ、適切な運動習慣を取り入れるべき  とされています。

個人的にオススメなのは、YouTubeの筋トレ動画を見ながら有酸素運動や筋トレをすることです。

某きんにくムキムキな芸人さんをはじめ、筋トレを紹介している動画はたくさんありますね!

おちば先生
おちば先生

運動は、ストレスも和らげてくれるとも言われています。

僕も毎朝、筋トレやラジオ体操をしてますが、気持ちがスッキリしておすすめです!

おちば先生
おちば先生

毎日10分でも、運動をとりいれていけたらよいですね!

腎臓を守るための生活習慣:④ 睡眠時間を確保する

4つめは、睡眠時間を確保するです!

みなさん、きちんと睡眠時間を取っているでしょうか?

おちば先生
おちば先生

睡眠不足は、さきほど述べた肥満や糖尿病、高血圧などを引き起こし、死亡率が増加するとされています。

CKDの(慢性腎臓病)ガイドラインでは、具体的には7〜8時間の睡眠時間が推奨されています

例えば11時に寝て、6時に起きるといったところでしょうか。

夜中までスマホを触ったりテレビをみたりせず  しっかり睡眠をとることで腎臓にやさしい生活をこころがけていきましょう!

今回のまとめ

今回のまとめ
  • CKD(慢性腎臓病)は、eGFR<60あるいは尿タンパクが1+以上が3ヶ月以上続く状態で定義されます。
  • タンパク尿が多い方は、腎臓が悪くなるスピードが早く、合併症も起きやすいので、タンパク尿を減らすことが大切です。
  • タンパク尿を減らす生活習慣として、❶ 禁煙、❷ 減塩、❸ 適度な運動と適正体重の維持、❹ 睡眠時間確保が重要です。

これらを実践して、腎臓にやさしいからだを作っていきましょう!

今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、また別の記事でお会いしましょう! 

参考文献
  • CKD診療ガイド2024 日本腎臓学会編
  • 1) Kidney Int 2003;63:1468-74.
  • 2) Annu Rev medlife.company7@gmail.com 2000;51:315-27.
  • 3) Clin J Am Soc Nephrol 2011;6:2462-9.

今回の動画はこちら

今回の内容を動画で学びたい時はこちらをご覧ください⬇︎

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