糖尿病の治療【食事・運動療法編】
今回のテーマは、健康診断におけるHba1cと血糖値についてのお話をしたいと思います!(解説 Dr. メリー:糖尿病内科専門医)

- 糖尿病の治療における食事・運動療法のポイントを理解できる!

それでは早速やっていきましょう!
糖尿病の3つの治療法
糖尿病の治療法は大きく分けて3つあります。
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法

治療のまず第一段階として食事、運動療法があります。
健診で、HbA1cや血糖値が指摘された場合に、初めは食事の見直しについてお話をしたり、具体的に行っていただきたい運動量についてお伝えしていきます。

薬物療法が初期の段階から適応になる場合は、HbA1cが著明に高い時などに限られます。

または、自己抗体を認める1型糖尿病の診断に至った場合には、基本的にはインスリンによる治療の絶対適応になるため、初回からインスリンを導入します。

HbA1cは、前回の記事でもお話をしたように数ヶ月の間の血糖値の平均値を見ているため、経過を確認するには少なくても1ヶ月以上の期間を空けて採血を行い、血糖値が改善傾向かを評価します。
食事療法
具体的に食事療法としてすぐに取り組みやすいものは、
ベジタブルファーストまたはミートファーストなどがあります。
食事の最初に野菜食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

実は肉(ミート)や魚、卵などのタンパク質でも同じように初めに食べることで血糖値の急上昇を抑える効果が認められているので、取り組みやすい方をお勧めしております。

野菜がたくさん入った具沢山スープなどもはじめに食べるのに良いですね。

ただ、どれも塩分摂取が多くなりすぎると浮腫みが生じたり、血圧上昇にも関与するので、なるべくドレッシングは減塩タイプのものを選ぶ、またはかけすぎないようにしましょう。

お酢やブラックペッパー、レモン汁などを絞って食べる方法も、無塩でも美味しく野菜が取れるのでお勧めです。

ここで重要なポイントですが、
野菜やタンパク質を食べてから、最低でも10分近く時間を空けてからご飯などの炭水化物を食べるとより血糖値の上昇を抑えられます。

時間に余裕のある時は時計を見ながら、野菜やタンパク質をよく噛んで食べるようにしてみてはいかがでしょうか。


運動療法
次に運動療法です。
理想的には『 1日に合計20〜30分程度の運動をする 』ようにしていただきます。

朝10分 昼10分 夕方10分でも良いですし、一度に30分運動しても問題ありません。
仕事で忙しい方は日常生活のちょっとした時間に運動をすきまで取り入れるのがお勧めです。

例えば、お風呂上がりの髪を乾かしている時間、その場でスクワットをするのもいいですし、テレビを見ながら足のもも上げ運動もいいですね。

運動療法のポイントは、少し体に負荷をかけるような運動をしてみましょう。
具体的には、散歩の際には少し早歩きを意識して、軽く息が弾む程度の速さです。

隣に歩いている人と会話ができるくらいの息の弾みが理想的です。
また、散歩などの有酸素運動の前にスクワットを10回する、腕立て伏せを10回するなどの無酸素運動(筋トレ)をすると、運動効率がアップします。
特に、大きい筋肉の部位を使う動作が良いです。(腹筋、背筋、臀筋など)

朝の運動と夜の運動について

朝の運動と夜の運動のどちらが良いですか?

答えとしては、どちらの運動もそれぞれのメリットがあるので正解です。
朝の運動は、
体の自律神経のうちの交感神経が活性化されるので、一日を通じて体温が上昇し基礎代謝が上がりやすくなる効果を持ちます。

午後から夜間にかけての運動は、
インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなること)を減らす効果があるとデータが出ておりますので、
それぞれを状況に応じて行いやすいタイミングで織り交ぜていただけると更に良いと思います。

1日おきでも良いので是非可能な範囲で取り組んでみてみましょう。
急性効果と慢性効果について
運動が血糖値の改善に効くしくみとして2つの効果があり、
❶ 急性効果は、運動後すぐに表われます。
❷ 慢性効果は、運動を数ヶ月単位で積み重ねて表われます。
❶ 急性効果について

血糖値は食事を摂った後に上昇し始めます。
そのタイミングに合わせて、食後に運動することで血糖値を下げる効果が期待できます。

これは運動によって筋肉に糖が取り込まれ消費されることによって起こります。
食後高血糖は前回の記事でもお話したように「血糖スパイク」と呼ばれ、動脈硬化の進展につながるため、食後の血糖上昇を抑えて血糖値の日内変動を少なくすることが重要です。

❷ 慢性効果

運動の慢性効果はインスリンの効きがよくなることによって血糖値が下がることを指し、「インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなること)の改善」につながります。

インスリン抵抗性が改善されると、より少ないインスリンで血糖値が下がるようになります。
その為、膵臓の負担が減少します。

肥満や運動不足の状況では内臓脂肪が蓄積し、インスリン抵抗性を生みます。

また、筋肉の細胞にも脂肪が蓄積すると筋肉の血液量が減少してインスリンの効きが悪くなるといわれています。
運動を行うことで、筋肉内の脂肪を減らし、血流に富む筋肉に変えることで糖を取り込む能力を増大させ、血糖値を低下させます。

運動療法時の注意点

運動療法を行う上で注意する点があります。
- 眼底出血あるいは出血の可能性の高い増殖網膜症・増殖前網膜症
- レーザー光凝固後3〜6カ月以内の網膜症
- 第3B期(顕性腎症後期)以降の腎症(血清クレアチニン:男性2.5mg/dL以上、女性2.0mg/dL以上)
- 心筋梗塞など重篤な心血管系障害がある場合
- 高度の糖尿病自律神経障害がある場合
- 1型糖尿病でケトーシスがある場合
- 代謝コントロールが極端に悪い場合(空腹時血糖値≧250mg/dLまたは尿ケトン体中等度以上陽性)
- 急性感染症を発症している場合
上記の内容に該当する場合は運動が禁忌となりますので、
必ずかかりつけの主治医や、受診された病院の先生に相談をして確認しましょう。


今回のまとめ

- 食事の前には野菜かタンパク質を先に食べるベジタブルファースト、ミートファーストを心がけましょう。最低でも10分ほど置いてからお米を食べましょう。
- 朝晩どちららでもいいので好きなタイミングで一日合わせて30分程度の運動をしましょう。
- 糖尿病の診断を受けていたり、持病のある方は、運動については主治医の先生に必ず相談をしてから適切な負荷で行いましょう。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また別の記事でお会いしましょう!
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