膠原病の症状かを考える時に大切な3つのポイント!
今回は、膠原病の症状かを考える時に大切な3つのポイントについて解説していきます!

- 自分の症状が、膠原病による症状なのかを考える時に大切な3つのポイントを理解できる!

膠原病について
まず、膠原病自体あまり良く知らない方も多いかもしれませんが、膠原病は身体の免疫機能が異常になって発症する病気のことをいいます。

この異常になった免疫は、身体のあらゆる臓器を攻撃して、臓器障害を起こします。
これによって、腎炎を起こしたり、間質性肺炎を起こしたり、皮膚炎を起こしたりします。

この免疫細胞による炎症が、身体に色々な症状を引き起こす原因となるのですね。

膠原病の症状について考える時に大切な③つのポイント

では、今回はそんな膠原病の症状にフォーカスを当ててみたいと思います。
膠原病の症状を考えるときに大切な③つのポイントがあります。
ポイント❶
まず、一つ目は、
膠原病の症状かを疑う前に頻度の多い疾患の症状かを考える

という事です。
膠原病による症状かを疑う前に、まずは頻度の高い、有名な疾患を疑う事が大切です。
膠原病は、一般的に難病と言われることも多く、そのイメージ通り、頻度が少ない疾患です。
ただし、難病と聞くと、進行性で助からないのでは無いかと思ってしまう方もいるかもしれませんが、
今は膠原病の治療も進歩し、しっかりと治療すれば病気をコントロール出来る時代です。
膠原病は、病気にもよりますが、頻度が高い疾患では無いため、
何か症状を認めた時は、まずは頻度の高い、一般的な病気からくる症状かを考えることが大切です。

具体的な話でいうと、
指の第一関節痛が痛いですという方が、関節リウマチを疑われ、良く膠原病外来に紹介されていらっしゃいます。

リウマチの場合は、指の第2関節(DIP関節)、第3関節(MCP)に腫れや痛みを訴えることが多く、

第一関節に痛みを生じることが多いのは、ヘバーデン結節と呼ばれる変形性関節症です。

へバーデン結節:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%E7%B5%90%E7%AF%80
なので、その症状が本当に膠原病によるものかを判断するために、まずは、頻度が高い疾患による症状なのではないかと考えることがとても大切です。
なんで頻度の高い疾患を考えることが大切なのですか?

まなみさん、とても良いご質問ありがとうございます。

まず、頻度の高い疾患を考える理由は、
症状を考えるときに、どういった疾患による症状かを正確に判断し、診断することは、正確な治療につながるからです。

先ほどの例を出すと、関節の痛みが、関節リウマチから来るものであれば、通常は免疫抑制薬という炎症を抑える薬を使いますが、
ヘバーデン結節である変形性関節症から来るものであれば、鎮痛薬による対症療法を行います。

もし、変形性関節症にリウマチの治療薬を使えば、効果がないばかりか、副作用が出てしまう可能性があるだけですので、
まずはその症状が膠原病以外の可能性かを除外する必要があります。

ポイント❷
次に、二つ目は、
膠原病では、多くの膠原病で認める全身症状がある

ということです。
膠原病は、リンパ球などの免疫細胞の異常によって身体に炎症が起きる病気とお話ししましたが、全身症状はこの炎症によって起きる症状です。
具体的には、発熱やだるさ、倦怠感、体重減少などを認めます。

全身症状を起こす膠原病
全身症状を起こす膠原病で、代表的なものは、
- 全身性エリテマトーデス
- 多発性筋炎•皮膚筋炎
- 高安動脈炎やANCA関連血管炎といった血管炎
- 他にも以下の疾患では全身症状を認めます ⬇︎

全身症状を起こさない膠原病
一方で、一般的に全身症状を起こさない膠原病もあります。
具体的には、
- シェーグレン症候群
- IgG4関連疾患
といった疾患は、通常、発熱や体重減少といった全身症状は起こしません。
このように、全身症状を認める膠原病で、発熱や倦怠感、体重減少を認めた場合は、
それらの膠原病による症状か、もしくは感染症や悪性腫瘍といった別の疾患によるものかを考えることがとても大切です。
一方で、シェーグレン症候群やIgG4関連疾患がある方の場合で、発熱や体重減少などを認めた場合は、
通常は、感染症や悪性腫瘍といった他の疾患による原因を検索して行きます。

ポイント❸
最後の三つ目は、
それぞれの膠原病で特徴的な症状を知っておくこと

です。
膠原病は、全身性の自己免疫疾患の総称ですが、さらに関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどといった疾患に分かれます。
それぞれの疾患で、特徴的な症状があります。
具体的には、
関節リウマチ

関節リウマチでは、手や足の関節の痛みや腫れを認め、関節炎を起こすのが特徴的です。

リウマチの腫れ:https://www.sanada-seikei.com/kanseturiumati/
他に、リウマトイド結節という、しこりみたいなものが、皮膚や肺などに認めたり、肺に間質性肺炎という肺炎も伴う事があります。

間質性肺炎
また、悪性関節リウマチという言葉を聞いた事がある方もいらっしゃるかもしれませんが、リウマチが原因で全身の血管に血管炎が起き、発熱や皮疹、臓器症状を認める場合もあります。
このリウマチによる全身の血管炎を悪性関節リウマチと呼びます。
悪性関節リウマチは、聞いた事ありますが、リウマチによる血管炎のことなのですね。

全身性エリテマトーデス

また、全身性エリテマトーデスでは、皮膚、特に顔に蝶形紅斑や

蝶形紅斑:http://www.sapporo-nenkin.jp/?page_id=488
指に霜焼け様の凍瘡様皮疹を認めたり、

凍瘡様紅斑:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q05.html
腎臓にループス腎炎と呼ばれる腎炎や、

脳や神経に中枢神経ループスと呼ばれる、脳の炎症を認める事が特徴的です。
ちなみに、ループスとはラテン語で狼をさす言葉で、
SLEで見られる蝶形紅斑が、あたかも狼が噛み付いた痕に見えるためそう名付けられたと言われています。
多発性筋炎・皮膚筋炎

多発性筋炎では、その名の通り筋肉に炎症を認めます。
筋肉の中でも、特に太もも(大腿)や二の腕(前腕)、首といった身体に近い筋肉(近位筋)に炎症を認めやすい事が特徴的です。
また、多発性筋炎に、皮膚症状を認めると皮膚筋炎と言います。
皮膚筋炎に特徴的な皮疹は、眼の瞼にヘリオトロープ疹を認めたり、

ヘリオトロープ疹:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q07.html
指の関節にゴットロン丘疹と呼ばれる皮疹を認めたり、

ゴットロン丘疹:https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/multimedia/image/v38403868_ja
肘などの関節の伸側にゴットロン徴候という皮疹を認める事が特徴的です。
他にも皮疹はあるのですが、また皮膚筋炎を取り上げる時にご紹介しますね。
強皮症
強皮症では、その名の通り、皮膚が硬くなる皮膚硬化という症状が特徴的です。

皮膚硬化:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q06.html
強皮症は、大きく2つのタイプに分類されます。
皮膚硬化を肘から指先だけに認めると、限局皮膚硬化型強皮症と言い、
肘を超えて全身に皮膚硬化を認めるとびまん皮膚硬化型強皮症と言います。
限局皮膚硬化型強皮症は、比較的症状が軽く、皮膚硬化が進行するにしても、十数年から数十年にわたってごくわずかずつ徐々にしか進行しません。
これに対して、びまん皮膚硬化型強皮症の場合は、発症してから数年は皮膚硬化が進行しやすくなります。
特に発症後2年以内に重い症状の80%が現れるといわれています。
また、逆流性食道炎といった内臓病変を合併することが多いです。

逆流性食道炎
また、いずれの2つのタイプでも、肺に間質性肺炎を認めるのも特徴的です。

間質性肺炎
シェーグレン症候群(シェーグレン病)

続いて、シェーグレン症候群(シェーグレン病)についてですが、
シェーグレン症候群は膠原病の中では頻度の高い膠原病で、特徴的な症状として、腺症状(乾燥症状)を認めます。
腺症状とは、身体の水分や粘液を分泌する腺組織(涙腺、唾液腺など)にでる症状のことで、
シェーグレン症候群では、異常な免疫細胞によって腺組織が破壊されて、乾燥症状が起きます。
具体的には、唾液腺が破壊されると、ドライマウス(口腔乾燥)を起こしたり、

ドライマウス(口腔乾燥)
ドライマウスによって虫歯になりやすくなったりします。
また、涙腺が破壊されるとドライアイを認めます。

ドライアイ
それ以外にも、性腺が破壊されてしまうと、痛みや不快感が出たり、汗腺が破壊されると汗が出にくくなったりする場合もあります。
性腺や汗腺の障害は必ずしも出るわけではありませんが、唾液腺や涙腺については、70〜90%と高頻度で認めます。
シェーグレン症候群では、こういった腺症状が特徴的で、
それ以外に、関節痛や尿細管障害などの腺外症状を認めることがあります。
ベーチェット病
続いて、ベーチェット病では、主症状である4つの症状が特徴的で、
口内炎である口腔内アフタや

口腔内アフタ:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q11.html
ぶどう膜炎を認める眼症状、

ぶどう膜炎:https://www.tutumiganka.com/eye/eye_18.html
陰部潰瘍、結節性紅斑と呼ばれる皮疹やニキビのような毛嚢炎といった皮膚症状の4つが特徴的な症状となります。

結節性紅斑:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q11.html

毛嚢炎:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/Behcet%27s_disease_GL.pdf
これらを主症状といい、他にも、腸管病変や

腸管病変:https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/150
神経病変、

神経病変:https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051040261.pdf
血管病変といった副症状を認めることがあります。
以上のように、それぞれの膠原病毎によって認める特徴的の症状がありますので、その症状が、SLEらしいのか、シェーグレンらしいのか、リウマチらしいのかと考えていくことが大切です。
膠原病科医は、この患者さんは、こういった症状が複数あるから、SLEらしいなとか、シェーグレン症候群らしいなと、推測しながら患者さんを診察しています。

今回のまとめ

膠原病の症状について考える上で大切な3つのポイントとして、
❶つ目は、膠原病の症状かを疑う前に頻度の高い疾患の症状かを考えるということをお話ししました。
膠原病は、一般的な病気と比べて頻度は低いため、まずは一般的な病気からくる症状ではないかと考えていくことが、適切な治療にも繋がりますので、とても大切とお話ししました。
❷つ目は、膠原病では、多くの膠原病で認める『全身症状』があるということです。
多くの膠原病では、発熱、倦怠感といった全身症状を認めます。
一方で、感染症や悪性腫瘍などでも全身症状を認めるため、その原因が、膠原病以外から来るものか、しっかりと精査することが大切です。
また、シェーグレン症候群やIgG4関連疾患では、発熱などの全身症状は通常認めないため、そういった疾患が背景にある方で、全身症状を認めた場合は、膠原病以外の原因を探ることが大事とお話ししました。
❸つ目は、それぞれの膠原病で特徴的な症状を知っておくことです。
それぞれの膠原病では、特徴的な症状があります。
例えば、関節リウマチでは、関節の腫れや痛みがあるか、また全身性エリテマトーデスでは、蝶形紅斑などの特徴的な皮疹があったり、腎病変、神経病変があるかなどです。
疾患ごとの特徴的な症状を知っておくと、いざ症状が出た時に、これはリウマチによる症状だなといったように、原因が予測しやすくなります。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また別の記事でお会いしましょう!
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