膠原病ってどんな病気?【自己免疫疾患・膠原病について】
今回は、自己免疫疾患と膠原病という病気について詳しく解説していきたいと思います。
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膠原病はあまり聞いたことがない病気です…
詳しく知りたいです!

膠原病は、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、自己免疫疾患の一つで、自己免疫疾患は誰しも、発症する可能性がある病気です。
今回は、この自己免疫疾患と膠原病について、体の免疫機能の観点も踏まえて解説していきたいと思います。
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では早速やっていきましょう!
自己免疫疾患と膠原病の違い
膠原病とは、自己免疫疾患という疾患群の中に入ります。

自己免疫疾患とは、自分の免疫が、自己、つまり自分を攻撃してしまい、皮膚の炎症や腸の炎症などを起こしてしまう病気のことを言います。


自己免疫疾患は、さらに『全身性自己免疫疾患』と、『臓器特異的自己免疫疾患』に分かれます。

臓器特異的自己免疫疾患は、腸や皮膚、甲状腺などそれぞれの臓器特異的に症状を起こす自己免疫疾患のことを言います。
例えば、腸に自己炎症が起きたものは、潰瘍性大腸炎やクローン病といい、
皮膚に自己炎症が起きる病気には、乾癬や天疱瘡などがあります。
また、甲状腺に自己炎症が起きたものは、バセドウ病や橋本病があります。
また、腎臓に自己炎症が起きたものは、IgA腎症や微小変化型ネフローゼ症候群などがあります。
潰瘍性大腸炎やバセドウ病は聞いたことがあります!

これらの病気は、ある一つの臓器にだけ、炎症が起きるので、臓器特異的な自己免疫疾患になるのですね。
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一方で、膠原病というのは、全身の臓器に炎症を起こすため、『全身性自己免疫疾患』に入ります。

例えば、全身性エリテマトーデスでは、
皮膚に「蝶形紅斑」といった皮膚炎がおきたり、

腎臓に「ループス腎炎」という炎症が起こったり、

脳や神経に、「中枢神経ループス」といった炎症が起きたりします。

良く知られている関節リウマチもこの膠原病の中に入るので、全身性自己免疫疾患に所属します。

リウマチは、関節にだけ腫れや痛みが起こるから、全身性じゃなくて臓器特異的なんじゃないのですか?

確かに、一見リウマチは臓器特異的と思われるかもしれませんが、
リウマチは 肺にも間質性肺炎という炎症を起こしたり、全身に血管炎を起こすことがあるため、全身性自己免疫疾患に含まれます。

自己免疫疾患についてもう少し詳しく

では、もう少し自己免疫疾患について詳しくやっていきます。
そもそも、自己免疫疾患とは何でしょうか。
詳しい詳細なメカニズムが、全てわかっている訳ではないのですが、
自己免疫疾患では、免疫を担当する白血球が異常に活性化して、自分でも制御出来なくなり、自分の身体をターゲットにして攻撃してしまいます。

この白血球のうち、自己免疫疾患に関わっているのが、リンパ球や好中球、好酸球、マクロファージといった免疫細胞です。

自己免疫疾患といったら、自己抗体を連想する方もいるかもしれません。

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自己抗体は、自己免疫疾患とどう関わっているのですか?

まず、体の免疫機能の一つである抗体を作っているのは、リンパ球のうちのB細胞が作っています。

なので、自己抗体もこのB細胞から作られます(正確には、B細胞から分化する形質細胞から作られています)。
B細胞から作られた自己抗体は、自分の体の一部をターゲットとして、抗原にくっつきます。
そうすると、周りの免疫細胞が、自己抗体にくっついた自分の体の一部を敵だと認識して、攻撃してしまうのです。
これが、自己抗体が自分を攻撃してしまうという機序になります。
自然免疫と獲得免疫について
ではここで、少し体の『免疫系の話』をしたいと思います。
身体の免疫系は、『自然免疫』と呼ばれるものと『獲得免疫』と呼ばれるものに分かれます。
良く例えられるのが、自然免疫はお巡りさんで獲得免疫は刑事さんと言われます。

自然免疫は、外から何か異物が侵入した際に、真っ先に集まって、防御する役割があります。

一方で、獲得免疫は、入ってきた異物を記憶したり、その異物に特異的な抗体を作ることで、異物を攻撃できたり、

また、
次にその異物が身体に侵入してきた時に、その記憶した免疫細胞が、速やかに対応し、感染が悪化するのを防いでくれる、病原特異的な働きをしています(免疫記憶)。

なので、
自然免疫は、侵入してくるあらゆる異物に対して、満遍なく対応するのでお巡りさんと例えられるのに対し、
獲得免疫は、ある異物だけ特異的に対応するので、刑事さんと例えられるのですね。

自己抗体について
先ほども言いましたが、自己免疫疾患において自己抗体を作っているのは、リンパ球のうち、B細胞が作っています。
B細胞が何らかの理由で、異常に活性化することで自己抗体を産生します。

この自己抗体は、自己免疫疾患それぞれに名前があって、
例えば、
甲状腺に異常を起こす、バセドウ病だったら、TRAb(TSH受容体抗体)、TSAb(TSH刺激性受容体抗体)。

関節リウマチだったら、抗CCP抗体、RF(リウマトイド因子)、

全身性エリテマトーデスという膠原病だったら、抗ds-DNA抗体、抗Sm抗体

となります。
また自己抗体のことでもう一つ大切なことは、自己免疫疾患も全てが特異的な自己抗体がある訳ではありません。
例えば、炎症性腸炎を起こす、潰瘍性大腸炎やクローン病、

皮膚にかさぶたのような鱗屑を伴った乾癬、

大動脈に炎症を起こす高安動脈炎など

は特異的な自己抗体がない自己免疫疾患です。
ただし、現時点で自己抗体がわかっていなくて、今後発見される場合もあります。

自己抗体と重症度について
自己抗体を認めるものと認めないもので、重症度は違うのかなと思われるかもしれませんが、自己抗体の有無は重症度にはあまり関連はありません。
ただ、自己抗体を認める自己免疫疾患において、自己抗体の値、つまり力価が高いほど、より活動性の高さと関係する病気もあります。

一方で、自己抗体の力価と活動性が関連しない疾患もありますので、疾患毎に判断していきます。

異常な免疫細胞の種類によって病気は変わる
少し話は変わりますが、異常な免疫細胞の種類によっても病気が変わってきます。
自己抗体を産生するのはB細胞というリンパ球なので、獲得免疫系のB細胞やT細胞が異常な自己免疫疾患です。

一方で、好中球やマクロファージといった自然免疫系の免疫細胞が異常に活性化して病気を起こす場合もあります。

例えば、ベーチェット病や成人スティル病といった病気は、主に自然免疫系の細胞の異常がわかっています。
ベーチェット病では好中球が、成人スティル病ではマクロファージが主に関与しています。

免疫細胞の種類によって、病気の違いがあるのは興味深いですね。
ただし、最近の研究では、例えばベーチェット病でもT細胞といったリンパ球が病態にも関与していると報告されたりと、新しい病気のメカニズムもわかってきています。
膠原病について

では、ここからは、膠原病についてより詳しくやっていきたいと思います。
膠原病は、全身性の自己免疫疾患とお話ししました。
膠原病で、代表的な病気は、
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- 強皮症

といったものがあります。
リウマチは、聞いたことがあります!

他の3つは、なかなか一般的には知られていないかもしれませんね。
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関節リウマチは、国内におよそ80万人の患者さんがいます。
また、全身性エリテマトーデスは6〜10万人、多発性筋炎・皮膚筋炎は、およそ25000人、強皮症はおよそ27000人の患者さんがいます。
関節リウマチは、自己免疫疾患の中でもトップクラスに多いんですが、他の病気もたくさん患者さんがいるのがわかるかと思います。
全身性エリテマトーデスについて詳しく
今回は、先ほどの中の全身性エリテマトーデスを少しご紹介したいと思います。
全身性エリテマトーデスは、顔の蝶形紅斑や、

手指に凍瘡様紅斑などの皮疹を認めたり、

発熱や倦怠感、だるさといった全身症状を認めたり、

関節痛や関節炎を認めたり、

ループス腎炎という腎臓の炎症を認めたり、

またCNSループスという脳の炎症を認めたり

と全身のあらゆる臓器に炎症を認めます。
このように、全身に症状を認めるのが膠原病なのですね。
なぜ膠原病は全身に症状を認めるの?
では、なぜこのように、全身に症状を認めるのでしょうか?
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それは、膠原病の病気の原因が、全身にある細胞の核の成分をターゲットとした抗体(自己抗体)によるものだからです。
全身の細胞一つ一つに、遺伝子が入っている核というものがあるのは、ご存知かと思います。

血液検査で測られる抗核抗体という検査項目があるのですが、これは、細胞の核の成分をターゲットとする自己抗体の総称です。
膠原病の多くの疾患は、この抗核抗体が陽性となります。
なので、核に対する自己抗体ができてしまう膠原病では、全身の臓器に症状が出てしまうのです。

どんな膠原病も、全身に症状が出るのですか?

膠原病は、全身に症状が出るとお話ししましたが、
病気の種類によって、症状の出方に特徴があります。
皮膚病変が多いものや、腎臓や肺を主にターゲットとするもの、筋肉に炎症を起こすものなど、それぞれ特徴があります。

例えば、
強皮症という膠原病は、全身の皮膚が硬くなってしまうため、この強皮症という名前が付いています。

また、肺にも間質性肺炎を認めたり、

食道や腸などの消化管が線維化して硬くなってしまうと、消化機能が落ちてしまったりする場合もあります。


今回のまとめ

それでは、最後に今回のまとめをしたいと思います。
- 自己免疫疾患は、臓器特異性自己免疫疾患と全身性自己免疫疾患に分かれ、膠原病は、全身性自己免疫疾患に入る。
- 自己免疫疾患には、関節リウマチや多発性硬化症など特徴的な自己抗体があるものと、潰瘍性大腸炎や皮膚疾患の乾癬など自己抗体のないものがある。
- ただし、自己抗体のない自己免疫疾患も今後医療が発展していくにつれて新しい自己抗体が見つかっていくかもしれない。
- 膠原病が全身に症状を認める理由は、細胞の核の成分に対する自己抗体が出来てしまうことで全身の細胞がターゲットとされてしまうためである。
- 膠原病は、病気毎に、特徴的な症状があり、特徴的な症状は、診断の重要な手掛かりとなります。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また別の記事でお会いしましょう!
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